
農業用排水路や農道など土地改良施設は、農業生産の役割はもちろん、防火や消流雪など地域の暮らしを支える公益的な機能をもっています。このような機能が十分に発揮され、農業が発展し続けるとともに、快適で安全な生活が守られるために、農業者と地域の住民が協力して土地改良施設を管理する体制づくりを進めます。
〈現状と課題〉
時代の変化に応えて、管理にも工夫がいるね。

●土地改良施設には、洪水や浸水の被害を防ぐ機能や、防火、消流雪用水など地域用水の機能、また環境との調和などさまざまな機能があります。
●農業地域の混住化が進んで、排水量やゴミなどが増加しています。
●昭和30年代から40年代に整備された多くの農業水利施設が更新の時期を迎えています。
●営農体系の変化に対応して、年間を通した適正な水管理が重要になり、水管理施設の合理化や、管理技術の向上が求められています。
●担い手への農地の集積や農家の高齢化にともない、施設管理の省力化・効率化が必要です。
〈主な取組み〉
農家の人でもそうでない人も、一緒に作業する試みが始まっているよ。
土地改良施設の適切な維持管理
・大規模なダム、排水機場、農業用用排水路などの維持管理を充実させ、管理体制を整備しています。また土地改良区が管理する基幹的な農業水利施設の管理技術の充実も図ります。
公益的な機能の発揮と管理体制づくり

・農村の混住化に対応して、用水路の江ざらいや排水路の水門操作など、地域住民と連携して行う管理体制づくりを進めています。
・地域用水や洪水調節など公益的な機能を県民に理解してもらうための広報活動を行います。
計画的な整備補修

・予防保全対策などを行い、施設の長寿命化を図り、計画的に整備補修します。
・管理施設のデータベース化などにより、管理のマネジメントを進めます。
農業用水の適切な維持管理
・地域ごとの営農の実態に即した水需要を把握し、用水を適正に管理します。
・適正な水配分や水利用計画のため、遠方監視制御システムによる集中管理を進めます。
・水門や除塵機などを電動化し、施設管理の省力化を図ります。
土地改良区の役割
・土地改良区や農業水利施設等への地域の理解を深めながら、農業水利施設や環境がよりよい形で保全されるよう、水土里探訪ウォーク、21世紀土地改良区創造運動などを進めます。
・時代・環境の変化に対応する知識・技能を取得するための研修など、地域の保全を担う人材育成に努めています。